出っ歯と受け口のよくある間違い deppa-ukekuchi

出っ歯と受け口のよくある間違い

矯正治療でご相談頂く中で最も多く聞く主訴が出っ歯と受け口です。
この二つは口を閉じていてもわかるものであり、お悩みの方も多くいらっしゃるかと思います。

しかしながら、出っ歯なら上顎を引っ込める、あるいは受け口ならば下顎を引っ込めるといった想像しやすい安易な方法では完治しない場合がほとんどです。
また完治しないだけならともかく、呼吸に悪影響を与えたり、数年たつと元通りになってしまうのです。
残念なことに、多くの矯正歯科でこういった治療法が未だとられています。

何故こうなってしまうのか、正しい治療法はどういったことなのかを以下で私の症例を用いてご説明致します。

出っ歯について

症例1

出っ歯とは主に下あごが後退して上の前歯が出ているように見えるもので決して上の前歯が出ているのが原因ではありません。
左は10歳女子、右は4年後のレントゲン写真です。
空気の通り道(Airway)が下あごが下がっている事で狭くなりいびきや無呼吸症の原因になりますが、下あごが前方に成長して広くなっています。
そして出っ歯の改善も、成長期のお子様(8~9歳ぐらいから)なら下あごが前方に成長するように誘導できればかなり改善できます。
なお当院では必要な治療のみを必要な時期に行い、ご両親のご負担をできる限り減らすことにも重点をおいて治療しております。
一度ご相談ください!

症例2

左は9歳女子、「ちょっと出っ歯」を主訴に来院。
右は6年後、出ていない上の前歯を下げたことにより下あごが後方(時計回り)に回転して後退。
気道が狭くなりいびきや無呼吸症になるリスクも上がりました。また顎の関節にもより負担がかかるようになり顎関節症のリスクも増えました。
これなら治療しないほうがはるかに良いと言えるでしょう。見かけに惑わされてはいけないのです。

成人の受け口について

症例1

初診時20歳の女性です。主訴は「受け口とでこぼこな歯並び」です。
通常は手術と言われてしまうこともある症例です。
上下左右の親知らずのみ抜歯、奥歯の位置を変えて顎の関節に掛かる力をコントロールすることで下顎が若干(個人差あります)ですが後方に下がっています。
また噛み合わせも良くなり歯並びもきれいになりました。
審美性だけでなく原因に充分に対応した治療で後戻りの防止になり装置を外して5年以上たった今でも安定しています。
セカンドオピニオン大歓迎です!